認知的不協和

2つの矛盾する認知(信念、意見、アイディアな ど)を同時に持った時に起こる不快な感情(怒り、 苛立ち、緊張など)又は、その不協和を解消しよ うとする心理状態。

 

自分が強く信じていることに対して、他の人が 反対の見解を示した時に怒りを覚えるのは、2つの矛盾する認知を同時に持ったために「認知的不協和」が起きたからです。

不協和によって不快な 緊張状態を強いられるため、この不協和を解消して解決しようとします。

 

例えば、壁に傾いて掛かっている絵を真っすぐに直したいという衝動にかられるのは、自分の内側には、絵が真っすぐに掛かっているイメージがあるからです。

その内側のイメージと知覚を通して認知したイメージとが対立して不協和を起こして不快な感情を抱いたため、それを解消しようと 真っすぐに掛け直すための行動を取りたくなります。

 

そこで、掛かっている絵を真っすぐに直すた めの行動を取れば、内側の現実と外側の現実とが 合致するため不協和が解消されます。

しかし、そこで行動を起こさず絵を傾いたままにしておくと、 はじめは不協和を感じていても、自然にその状態に慣れてしまい、内側の現実を傾いた絵の方に修正してしまいます。

 

このように自分の内側の現実と外側の現実が合 わなくなると、どちらか一方に合わせてリアリティを作り変えてしまいます。

なぜなら、ゲシュタルトは1 つしか維持できないからです。

 

マインドの内側にある現実を変えることによっ て、マインドの外側の現実を変えていくことがで きます。

いま何かしらの行動のためのエネルギー が生じていないとしたら、それは、内側の現実と 外側との現実との間に不協和が生じていないから です。

 

また、長い間、不協和の状態を維持してい ると心身に何かしらのダメージが生じてしまう可 能性があります。

それを防ぐために、外側が不都合な現実であっても、内側の現実をそれに合わせてしまいます。

 

「認知的不協和」という原理を上手に活用するこ とによって、自然とゴールを達成していくこともできます。

つまり、「いまある現実世界のリアリティ」よりも「ゴール世界のリアリティ」の臨場 感をより高めることによって、意図的に不協和を 起こさせます。

 

そうすると、その不協和を解消するために、自然とゴールの世界を達成するように 無意識が導いてくれるのです。

ゴール設定とは、 意図的に認知的不協和を起こして、それを解消するためのエネルギーと創造性を生み出すことです。

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